けだものらいふ!

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知らない夜へ

 それから五分程度歩いて、銀くんとは別れた。流くんと二人(?)で、見知らぬ道を歩く。「………………」「………………」 思えば、この世界に来てから、私と一対一で会話したのは、最初に出会った浦井先生くらいだ。あとは、他の動物もそばにいたから、一…

学生として

「ということで……。武者さんを一年生クラスのどこかに入れてあげたいのですが、教頭」「だめですネ」「なっ!」 私は、少し湿ってはいるものの、綺麗になった制服を身にまとい、浦井先生と職員室に来た。職員室と言っても、浦井先生のみが職員室に入り、教…

井戸に落ちて

「………………あれ…………………………」 私は、大空を見ている。青い空に、流れている雲。風もあまりなく、雲の動きはゆっくりと穏やかだ。 呆然と空を視界に映していると、ふと体中に痛みが走った。痛みは、もともと体にあったようだ。私の意識が覚醒す…

プロローグ

 昔から、ずっとずっと夢みてた……。『武者魅美さん。あなたこそが、運命の人です。どうか、結婚してください』 やっと逢えた。私の運命の人……。 温かい体温。愛する人に抱きしめられるのって、本当に胸がいっぱいになるのね。 ふさふさしている。ああ…