Direct Voice

※R18小説です。

公開日:2017/9/1(連載中)

大好きな人がいます。
その人は、すごくイケメンです。
でも、その人は、不細工でもあるのです。
イケボと噂のネット声優と、その正体と、私の話。

  • 第1章 好きな声

     なぁ、お嬢様……。 俺の気持ちわかってんだろ? わかってくれてるんだよな? なら……、なんで、他の男といちゃいちゃするんだよ! いつもちゃらちゃらしてるように見えるかもしんないけど、俺には、お前しかいないんだから……! ……ごめん? 何度…

  • 第2章 ご尊顔を拝する

     肌寒い日も多くなってきた。しかし、てな様と会うことになった土曜日は、幸運にもお天気に恵まれ、気持ちよい秋晴れであった。 こんな日にデートでもできたら嬉しいな……なんて思いつつ、待ち合わせ場所の駅に向かう。 いや、デートだよ。男女が待ち合わ…

  • 第3章 スタジオなんて真っ赤な嘘

     運賃を払い、タクシーを降りる。 着いたのは、高速道路下にある、大きなカラオケ店。 私は、歩く。カラオケ店とは別の方向へ。横手くんもついてくる。 会話は、なかった。 私は、薄ら笑いを浮かべたまま、カラオケ店の隣にある、城のような建物に入る。…

  • 第4章 日常への変化

    「おはよー」「おはよ~、くろちー」「はよーっす」 教室に入ると、いつも一緒にいる、あーことさゆに挨拶する。「ねー、くろちは宿題やった? わかんなくてさー。どけちなあーこは、見せてくんないしー」「当たり前じゃん! だって、自分で考えるやつだよ…

  • 第5章 手也の家

     帰宅してパソコンを確認すると、てな様からメールが来ていた。 件名はなく、本文に“家に来てください”とだけ書いてある。 私は、光也の家に向かうことにした。 光也は、玄関の前で、制服を着たまま亡霊のように立っていた。私に気づくと、見覚えのある…

  • 第6章 挨拶の重要性

    「おはよお」「おはよ~」「はよー」 教室に入り、あーことさゆに挨拶。 光也はと言うと、自分の席で、背中を丸めて座っていた。 光也に挨拶したい。光也をまるはだかにひん剥いて、口犯してやりたい。 ……ここじゃ、無理だよね。 私は、いつものように…

  • 第7章 行きたくもない合コン

    「おっはよ~」「どしたん、なんか今日はやけにご機嫌やね?」 だって、今日は、光也と……。「今日の合コン楽しみだね~、くろちー!」 ……うぇい?「あ、服、制服で大丈夫だからね。お金も向こう持ちだから、気にしなくていいよ。楽しみだね~!」「いや…

  • 第8章 ケーキよりも甘くて美味しい

     なんとか光也の家に来れた。しかし、時間は、すでに六時。陽も傾いている。 インターホンを押す。『……はい』 少しして声を出したのは、光也の声だ。 黒部だと名乗る。無言で電話が切れる。 それからまた少しして、鍵の開く音。光也の家は平屋で、玄関…

  • 第9章 “彼”の部屋

     しかし、十時になっても、光也のお父さんは、帰ってこなかった。 光也はようやく回復したようだが、お母さんは、安静にしてなさいと言って聞かない。「黒部さんの親御さんは?」「あ、うちは、そういうの全然気にしないので……。もう子供じゃないですし。…

  • 第10章 汚い便器との遭遇

     家を後にする。一応、鍵は玄関に置いてあったから、かけて、ポストに入れておいた。そういう時に限って、泥棒とかに入られないといいんだけど……。 時間を見ようと、携帯電話を取り出す。メールが来ていた。“今日はありがとう また遊びたいな 遊べる時…

  • 第11章 彼と彼と彼と彼

     朝、崎田さんの家族が起きてきたら、崎田さんは、私について説明した。 バイトで遅くなった私が痴漢に襲われて、崎田さんに電話で助けを求めた。崎田さんは、逃げていた私を探し、この家に連れてきた……。そんなシナリオだった。 崎田さんの両親は、心配…