プロジェクトを起ち上げた理由

Wikiに書いたご挨拶が2017年ですので、2022年となった現在改めて。

私は、学校が嫌いでした。
勉強が嫌いでした。
でも、高校も卒業した頃にようやく気づきました。私は、別に勉強はさほど嫌いではないと。
じゃあ何が嫌かって――、周囲の人と会話をするのが、とにかく嫌なのです。

私は、体に障害はありません。ただ、無口な子でした。
幼稚園の頃から、いいもいやも言えない子でした。
でも誰に対してもそうなのかと問われればそうではなく、親や、自分が友達と思った人とは普通に話せていました。むしろおしゃべりなほどしゃべっていたかもしれません。
ただ、そうでない人には何も話せず、周囲を不快にさせ、迷惑をかけ続けてきました。
これは医者に対しても同じで、心療内科だったか精神科だったかに行った時も何も言えず、『患者はあなただけじゃないんですよ(要約:いつまで黙ってんだぼけ)』という言葉を聞き、ああ、自分のこれは治せないんだなぁ、治らないんだなぁと痛感しました。

学校では一人でいることが普通になっていました。
そのうちに、自分はいない方がいいのだと思うようになりました。
人を不快にしかさせないのなら、人と関わるべきではない。
間違いかもしれませんが、人と向き合っても結局いつも同じ結果にしかならないので、この間違いが正しいと信じるしかないのです。

それでも、時折、言いようのない寂しさ……というよりは切なさに打ち震えるのです。
何か原因がないかと色々本を読み漁り、自分と似たような症状を知ると、自分だけが特別でないことにほっとします。しかし同時に、これだけでは救われていることにならないとも思うのです。

そこで私は、恋愛ゲームという物語にしてみることを考えました。
よくある学園もの。いつも一人でいる相手と、どうやって向き合えば、相手も自分も素敵な気持ちになるだろう?

ただ専門書を読むだけではわからない自分なりの答えが見つけたくて、自分と似た性質で悩む方を少しでも励ましたくて、“ぼっちと恋愛するゲーム”を真面目に作ってみたいと思ったのです。

――しかし、あまりにも慎重に取りかかりすぎて結局何一つ進んでいないのが現状なので、もう慎重になっていても作れないだけだと開き直ったのが、プロジェクトを起ち上げてから5年後です。