最終更新日:2023年3月26日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
「よく来てくれた……!」
今日も彼と訪れた女子校。そこの“写真部”という部室にいたのは、昨日や一昨日とは違い、一人の女の子だった。
「ほかの部員は?」
「…………部活設立、存続に必要な部員は三名。やる気があってもなくても、とりあえず三人いるなら部活として認められる」
「幽霊部員ってこと」
女の子は泣き崩れた。
「イマドキの子は写真なんかスマホで十分だと言って、カメラの魅力が全くわかっていない! そのスマホでの写真も、加工が前提でありのままを撮ろうとしない! そうじゃない! 写真は芸術! なぜそこに存在するものに余計な手を加える!」
「でも、グラビア写真とか、モデルの胸おっきくしたりするって聞くけど」
「そりゃそれは売り物作るためよ! 美術部が売れるための絵を描く? 部活なんだから、芸術として、趣味として写真と向き合ってほしいの! 流行りものとか綺麗なものとかてきとーに撮るだけなら、部活よりSNSやってろっ」
「部員いないわけだわ」
「なぜ!?」
なかなかこだわりが強そうな部長さんだ。俺は、彼と女の子の話を黙って聞いていた。
「で、三時間一万円でモデルしてくれるんでしょ? ヌードの」
「はーい」
部長さんの質問に彼が答える。……俺としては、ヌードのモデルなんて一昨日、仕事開始後知ったんだけど……。
部長さんは軽く頷き、財布から一万円札を取り出した。
「これで、付き合ってくれるね」
「はいはいまいどー」
「じゃ、早速だけど明日の朝、いいかな」
「明日の朝?」
「だんだん明るくなっていく朝ならともかく、だんだん暗くなってく今の時間帯だとさすがに難しいからね……。明日の朝六時にここの校舎前に、いいかな」
「ふ~ん、明日の朝……。一人で来れるかな。よろしくねえ」
俺に拒否権などない。流れるように“仕事”について決められていく。
「前払い?」
「いや、後払いでいいよ。……“寝坊”、しちゃうかもしれないもんねぇ?」
彼の笑っていない目が俺を射貫く。
“逃げるなよ”
――そう。逃げては、いけない。
“仕事”をしなければ、お金は手に入らない。