初恋スコーチング【テキスト先行公開版】46-21b

最終更新日:2023年10月7日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


あかね
「そんなの、みんなの前で、はだかにされたことに決まってるよ……!」

あかね
「すごく恥ずかしかったでしょ? すごく悔しかったでしょ?」

言っているうちに、あの時のことを思い出してきた。
私が、悔しくなってくる。

やっぱり、復讐しなきゃ。
そうじゃないと、悔しくて悔しくて、おかしくなりそうだ。

りく
「そりゃ……、もちろん」

りく
「すっごく恥ずかしかったし、悔しくもあった。ていうか、今でも思い出したくないくらい」

あかね
「でしょっ?」

りく
「でも、俺は、頭も大してよくないし、ケンカじゃ勝てないだろうし……」

りく
「復讐なんかできない」

りく
「もし、復讐できたとしても、気分は晴れないだろうし……」

そうだろうか?

私は、吉原たかし……いや、あの場にいた野次馬含め、りくみたいな屈辱を味わせたい。

りくは、こんなにつらかったのに、お前らはよく平気な顔できたよねって、よく何もせず突っ立ってたよねって、今度はこっちが笑ってやりたい。
もちろん、嘲笑ね。

りくは、あんなことをされて、許せるのか?

優しいね。そういうところが好き。
でも、それは、時になめられる原因だ。

休み時間、学内の廊下で、はだかにされた。
それだけでなく、射精までさせられた。
身ぐるみ剥がされ、恥を強要された。

その瞬間、みんなの中で、順位が決まる。
“上羽りくは、自分より下の人間である”と。

こんなの……、許されていいの?
りくの尊厳なんかないようなものじゃない。

りくに尊厳がなくなったのなら。
せめて……、あいつらだって尊厳をなくしてやる。

りく
「……あかね……」

あかね
「なに?」

りく
「………………」

りく
「好きな人、いるの?」

? いきなり、なんだろう。

話題を変えたにしては、りくの表情は沈んでいる。

りく
「名前とかは聞かないから……。いる? いない?」

りく
「答えて……」

??

まぁ、とりあえず……。

あかね
「いるよ」

りく
「その人は、気が強い人?」

ああ……、お昼の話の続きか。

あかね
「別に……」

りく
「じゃあ、その人もあかねのこと好きだと思う?」

“その人”、目の前にいるんだけど。

あかね
「恋愛的な意味じゃあないけど、好かれてるとは、思う」

りく
「脈は?」

あかね
「………………。なしだろうね……」

本人目の前にして、なんてむなしい……。

りく
「………………、……………………」

りく
「……そっか」

りく
「ねえ、あかねのこと、好きなやついないかな」

りく
「恋愛対象として」


さっきから、りくは、なんなんだろう。

りく
「あんまり、暗いこと考えないでよ」

りく
「俺は、あかねの怒ってる顔より、笑ってる顔のが好きなんだから……」

あ……、そういえば、全然笑ってなかったかも、私。

いくらなんでも、無愛想すぎたよね。

笑おう。

笑って、ごまかそう。

クソメガネを、恥辱にまみれさせてやる。

あかね
「ごめんね、変な話して」

りく
「あ…………、うん」

あかね
「つい、気になっちゃってさ」

りく
「うん……。あんまり気にしなくていいこと、気にしないでね」

あかね
「うん」