最終更新日:2023年10月7日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
あかね
「そんなの、みんなの前で、はだかにされたことに決まってるよ……!」
あかね
「すごく恥ずかしかったでしょ? すごく悔しかったでしょ?」
言っているうちに、あの時のことを思い出してきた。
私が、悔しくなってくる。
やっぱり、復讐しなきゃ。
そうじゃないと、悔しくて悔しくて、おかしくなりそうだ。
りく
「そりゃ……、もちろん」
りく
「すっごく恥ずかしかったし、悔しくもあった。ていうか、今でも思い出したくないくらい」
あかね
「でしょっ?」
りく
「でも、俺は、頭も大してよくないし、ケンカじゃ勝てないだろうし……」
りく
「復讐なんかできない」
りく
「もし、復讐できたとしても、気分は晴れないだろうし……」
そうだろうか?
私は、吉原たかし……いや、あの場にいた野次馬含め、りくみたいな屈辱を味わせたい。
りくは、こんなにつらかったのに、お前らはよく平気な顔できたよねって、よく何もせず突っ立ってたよねって、今度はこっちが笑ってやりたい。
もちろん、嘲笑ね。
りくは、あんなことをされて、許せるのか?
優しいね。そういうところが好き。
でも、それは、時になめられる原因だ。
休み時間、学内の廊下で、はだかにされた。
それだけでなく、射精までさせられた。
身ぐるみ剥がされ、恥を強要された。
その瞬間、みんなの中で、順位が決まる。
“上羽りくは、自分より下の人間である”と。
こんなの……、許されていいの?
りくの尊厳なんかないようなものじゃない。
りくに尊厳がなくなったのなら。
せめて……、あいつらだって尊厳をなくしてやる。
りく
「……あかね……」
あかね
「なに?」
りく
「………………」
りく
「好きな人、いるの?」
? いきなり、なんだろう。
話題を変えたにしては、りくの表情は沈んでいる。
りく
「名前とかは聞かないから……。いる? いない?」
りく
「答えて……」
??
まぁ、とりあえず……。
あかね
「いるよ」
りく
「その人は、気が強い人?」
ああ……、お昼の話の続きか。
あかね
「別に……」
りく
「じゃあ、その人もあかねのこと好きだと思う?」
“その人”、目の前にいるんだけど。
あかね
「恋愛的な意味じゃあないけど、好かれてるとは、思う」
りく
「脈は?」
あかね
「………………。なしだろうね……」
本人目の前にして、なんてむなしい……。
りく
「………………、……………………」
りく
「……そっか」
りく
「ねえ、あかねのこと、好きなやついないかな」
りく
「恋愛対象として」
?
さっきから、りくは、なんなんだろう。
りく
「あんまり、暗いこと考えないでよ」
りく
「俺は、あかねの怒ってる顔より、笑ってる顔のが好きなんだから……」
あ……、そういえば、全然笑ってなかったかも、私。
いくらなんでも、無愛想すぎたよね。
笑おう。
笑って、ごまかそう。
クソメガネを、恥辱にまみれさせてやる。
あかね
「ごめんね、変な話して」
りく
「あ…………、うん」
あかね
「つい、気になっちゃってさ」
りく
「うん……。あんまり気にしなくていいこと、気にしないでね」
あかね
「うん」