初恋スコーチング【テキスト先行公開版】45-21b

最終更新日:2023年10月7日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


なんか、思いがけず、りくを家に……しかも、今回は部屋にまで呼ぶことができてしまった。

りくが私の部屋に来るの、何年ぶりだろ……。

りく
「なんか、あかねの部屋に来るのも久しいね」

あ、おんなじこと考えてた……。
ちょっとだけ嬉しくなる。

りく
「普通なら、もう部屋に来ちゃいけないと思う……」

あかね
「え、なんで?」

りく
「だって、俺たちは、男と女であって……、恋人では、ないんだからさ」

あかね
「幼なじみだもん。別に、誰も気にしないよ」

そんな悲しいことが聞きたくなくて、すぐさま反応してしまう。

りく
「うーん、まぁね」

でも、りくは気づかないんだろうか……。

あるいは、気づかないふりをしているんだろうか。

りく
「で、どうしたの?」

あかね
「あ、うん……」

私は、お昼、吉原たかしグループが話していたことを伝えた。
もちろん、下品すぎる部分は、話していない。

りく
「……ひどい話だね」

あかね
「吉原たかしは、乗り気ではなかったみたいだけど……」

りく
「……あかねは、どうしてそれが気になったの?」

あかね
「え? あ、えーと……」

そういえば、なんでだろう。

吉原たかしが、何かまた良からぬことを企んでいないか、気になった。
多分、はじまりは、それ。

でも、人妻をどうこうするという話は、吉原たかし自身とはあまり関係なさそうだ。
もちろん、私やりくなんて、全く話題にも上っていないのに。

なんで私は、わざわざりくを家に呼んでまで、こんな話をしているんだ?

りくにとって、気持ちの良い話でもないのに……。

りく
「……もしかして、まだ、考えてるの?」

あかね
「え?」

りく
「復讐」

復、讐……。

その二文字が、ひらがなにして五文字が、私の頭の中を回る。

……あれ?

冷や汗をかく。

私、復讐ってこと……、ちゃんと覚えてた?

復讐がしたくて、吉原たかしの仲間の一人と接触を始めた。

なのに……、なんか、変。

りくに改めて言われるまで、忘れていたように思う。

りく
「ねぇ、あかね」

りく
「あんな……ことあって……、俺がかわいそうって思ってるの?」

あかね
「………………………………うん」

そうだよ……。
りくは、すごくかわいそうだ。

恋人にふられ、不良に搾取され、辱しめられ……。

恋人にふられた。
これは、仕方ない。

むしろ、昔からりくに片思いしている身としては、ふられたのは、喜ばしくもある。
りくには、もちろん申し訳ないけれど……。

でも、不良は、どうなの?

そりゃ、りくの注意が足りなかったのが原因だよ。

りくの不注意で、吉原たかしの仲間の一人がケガを負ってしまった。
それは、りくが悪い。
落ち込んでいたとはいえ、注意散漫になっていたりくが、100%悪い。

だけど、あそこまでする?

怪しいバイト無理矢理させて、稼いだお金巻き上げて、拒否したら学内で全裸にさせる?
そこまでしないと、りくの罪はあがなえないの?

私は、そんなの、違うと思う。
いくらなんでも……、かわいそうだ。

りく
「俺だって、あんなことあって、怒りって感情がないわけじゃないよ……」

りく
「でも、もう終わったんだ。あかねが、終わらしてくれたじゃん」

りく
「だから、吉原たかしたちのことは、もう忘れよ? ね?」

あかね
「でも……」

りく
「……あかねは、俺のどこが、かわいそうだと思ってるの?」

どこ……?