初恋スコーチング【テキスト先行公開版】43-21b

最終更新日:2023年10月7日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


お昼を終え、教室に向かう前に、トイレに行くからと、りくと別れた。

トイレを出て、一人で教室に帰る。

「ねー、よしっちー。ハニーがさ、スリルある経験がしたいゆうてさーぁあ」

運動部が会議などをする時にのみ使う空き教室から、声が聞こえてきた。

「何が言いたいんだよ?」

あ、この無駄に爽やかで、存在感のある声は……。

「早い話、東仲でヤりたいわけっすよ、ダンナぁ」

たかし
「ここは、みんなの……っていうか、東仲生のための建物なんだけどさぁ……」

「もちー、なにも俺とハニーだけで楽しむつもりはないよ」

私は、思わず聞き耳を立てていた。

「ハニーはさ、旦那とはセックスレスなわけよ。もう二年はしてねえっつってたかな」

「その人妻何歳だっけ?」

「34」

「まじ? 全然まだいけんじゃん!」

「旦那いくつだよ。50くらいのインポ?」

「29らしいー。インポなのかは微妙だけど、それっぽいって、ハニーは疑ってる」

「へえー、気の毒っ」

「病院行った方がいいんじゃねーのっ」

「まあまあ。この前、ハニーの彼氏の俺が、お家行ってみたわけですよ」

「そしたらさ……、ぷぷぷ。ちょっとね? 笑っちゃうんだけどぉ……」

「ハニーはさ、機械音痴で、未だにガラケーなわけ」

「んだよ、それが笑えることかぁー? 俺だってガラケー愛用者だぞ」

「まー、待て待て、ガラパゴス早漏。つまり、ハニーは、スマホのことよく知らんし、扱えんのね」

「旦那タブレット持ってんのよ。タブレットには、ロックかかってないけど、ハニーは使い方がわからんからさわらんゆうとったわ」

「だから、俺、見ちゃった」

「浮気か?」

「ノンノン。ていうか、ハニーがすでに俺と浮気してるから、それならまぁおあいこだよね」

「じゃあ、インポの治し方とかそういうの調べてた?」

「んー、それだったら、浮気の方が近いかもね」

「出会い系にはまってるけど、それ絶対サクラだろってやつとのやりとりがあったり?」

「ちっがうちっがう! 性癖の話よ!」

「あー、わかった! ホモなんだ、その旦那ー!」

「あったりー!」

「閲覧した動画、ぜ~んぶガチホモセックス!」

「うっわ、まじかよ~! 奥さんかわいそ~!」

「あ、でも、俺でもちょっと反応したのはいたねー」

「上はいいんだけど、下はついてた……わけだけど!」

「それって、ふたなり?」

「ばっか! 話からすると、男の娘ってやつだろ!」

「そうそ、びびったわ! あんなん見ちゃったら、まんこあるか確認するまで、本気になれんわ!」

ぎゃははと、下品な笑い声が聞こえる。

しかし、吉原たかしは、口を噤んでいるようだ。

「まじかよ~。っていうか、その奥さん、かなりの名器っつってたよな?」

「おう! 気ぃ抜くと二分も持たんぜ」

「いや、それかなりの早漏じゃん」

「それくらいやべぇーんだよ! 遅漏がいたら一度やってもらえって感じ。そこらの女とまじで違うから」

「しかも、巨乳だし、超美人なんだろ?」

「おぅよ!」

「うっわぁー、それでも男が好きなのかねぇ……」

「奥さんめっちゃ気の毒やん。旦那まじ病院行かせるべきじゃねえの。頭とちんぽの」

「っていうか、ホモとか最低だわ。せめて女と結婚すべきじゃねーな。その奥さんと結婚したいまともな男は、たくさんいるだろうに」

「俺とかなー」

「ていうか、お前気ぃつけろよ! もしかしたら、その旦那に掘られるかも!」

「いやー、勘弁勘弁! きたねーわ!」

「『キミが私の妻を寝取ったんだね? この罪は、身体で償ってもらおうか……』」

「『しゃぶれよ』ってか? 噛み千切ったらぁ!」

「『ホモとかまじきもいわ、死ね!』っつって、ハニー連れて正式な肉奴隷にしたいわ」

「おいこらっ」

「最後いかんやろっ」

……ホモ……。

そういえば、吉原たかしがいるということは、クソメガネもいるんだろうか?

声は、聞こえない……。

たかし
「で。つまり、結論は?」

「あぁ……あはは、そうそう」

「ハニーはさ、ホモの旦那とはもうセックスできないと思うんだよ。旦那がガチだからさ」

「でも、欲は溜まってるから……」

「みんなで輪姦まわさね?」

「おいおい、いいのかよ」

「いいよ。だいたい、ハニー結構Mだから、犯され願望とかも強くてさ」

「なら、乱暴でもいいと?」

「殺したり、血を出したり、腫れさせたりするようなケガさせちゃだめだぜ」

「そんなガチレイプはこっちが怖いわ」

「でも、いいな。彼女とかだと気使うし。イラマさせてもいい?」

「ああ~、好きだぜ、ハニー。フェラ大好きで、イラマも喜んでするよ。……まあ、それ仕込んだのは俺だけど」

「どうっすか、よしっち! よしっちなら、特別ご優待しますよ!」

たかし
「……俺は、みんなとヤるのは好きじゃない」

「あ、二人っきりがよろし?」

たかし
「まあ、そういうことにはなるが……、人妻は好まないな」

「えー、そうなの? ほら! ほら、見て、超美人でしょ?」

たかし
「ああ……」

たかし
「だけど、俺は、そこまで欲望にまみれていない……」

「よしっちクール!」

たかし
「普通だよ……」

たかし
「ねぇ?」

「え? あ……、うん」

あ……、クソメガネの声だ。
やっぱり、いたんだ。

ということは……、さっきの会話聞いていたんだ……。

「なんだよぅ、いい子ちゃんぶっちゃってぇ」

「童貞、くん」

「いつまでも一人でおちんちんしこしこ、むなしくない?」

「経験豊富……かはちょい微妙だけど、従順な人妻が手取り足取り腰取り教えてくれるぜ?」

たかし
「いい加減にしろ」

たかし
「人には人の価値観や考え方があるんだ」

たかし
「無理矢理にでも誘おうとするな」

「そう? おちんちんも剥けてなさそうだからさ……」

たかし
「しつこい」

『あかねは、気が強いタイプとか合いそうだと思うな』

不意に、りくの言葉を思い出す。

気が強いよね、吉原たかし……。

でも、りくに酷いことしたやつなんだから、好きになんかなれるわけがない!
というか、恋愛対象とかありえないから!

私は、教室を目指した。

でも……、でも、少し……。

クソメガネが吉原たかしを好きな理由が、わかった気がした。