最終更新日:2023年4月18日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
予想通り、りくは、日に日にやつれていった。
私と登下校してくれなくなった。
りくが避けているわけじゃない。りくと、時間が全く合わなくなったのだ。
私は、まごつくばかり。
何かしたい。何かしなきゃ。
考えるばかりで、何も思いつかず、動けない。
誰にも相談できない。
私の親は、りくの親とも親密なのだ。
吉原たかしの言う通り、りくに迷惑がかかる。
先生は、信頼できない。
というより、この東仲が、信頼できない。
吉原たかしの息が、どこにかかっているかわからないのだから。
……じゃあ、誰に相談しろっていうのさ!
取り返しのつかない犯罪を犯したキャラクターの自白で、相談すべきだったと悔やむシーンを見たことがある。
しかし、もし時間が巻き戻ったとして、彼らは、誰に相談したのだろう?
そして、その人は、本当に信頼の置ける人物なのか?
“相談しなかったから、あの程度で済んだ”と言えないのか?
どの道が一番正しいかなんて、結局、全部試してみないとわかるものか。
「……かね。……あかね!」
あかね
「えっ」
友人
「上羽くんが、カイボウされてるっ」
解剖!?
そういえば、お金ほしさに臓器を売る人もいるって……!
あかね
「りくぅ!!」
りくがかたわになるりくがかたわになる。
たとえりくがかたわでも私はりくが一番好きだけどでもそんなのやだやっぱりうだうだ考えている時間が無駄だったんだ。
……あ、そうだ。
りくの代わりに、私が臓器を……。
りく
「あかね!? 来るなぁ!!」
あかね
「やめてぇ! りくに酷いことしないでぇ!」
たかし
「あかねさんていうんだね。上羽くんの彼氏?」
あかね
「幼なじみよ! りくを」
たかし
「そうなんだ。俺、幼なじみって間柄嫌いなんだよね。ところで、こいつを見てくれ。こいつをどう思う?」
あかね
「は、………………」
……なにこれ。
たかし
「……ノリ悪いねぇ。すごく……何々です……って言ってくんないと」
りく
「あ、あかね……、見るな……」
たかし
「あかねさんに見られてなくても、色んな人にいっぱい見られてるよ? ほら、あっちでも女子が興味津々な目で見てる」
「おい! ただで見てんじゃねぇよ! 見物料払え、てめえら!」
りくは、はだかだった。
思わずりくの股間に見入ってしまいそうになるけれど、私は、吉原たかしの顔を見据えた。
あかね
「りくがお金払えないから……?」
たかし
「うん」
りく
「やめろ、あかねは関係な」
たかし
「上羽くん、おちんちん丸出しでかっこなんかつかないよ」
あかね
「やめてください……。りくの臓器売らないで……」
たかし
「は? 臓器? ……なるほど、その手があったか」
あかね
「!! やめてえ!!」
たかし
「金玉って結構高く売れるって聞くよ。売ったら、きっと全部払えるよ」
りく
「ひい……」
たかし
「ね、ほら、あかねさん、どーよ。ずっしりしていて、重たそうだよね。あかねさんは、幼なじみの上羽くんとしたことあんの?」
ずいと、りくの体を押さえつけていたやつらが、前に出る。
りくのはだかなんて、幼稚園以来だ。
記憶の片隅にぼんやり浮かぶりくのそこは、とても小さくてかわいらしいもの。
しかし、今、目の前にあるそれは、幼い日の印象を塗り替えていく。
たかし
「一つ300万くらいだったっけ? 売ろうよ」
りく
「い、嫌……」
あかね
「やめて、りくの体に傷つけないで……」
たかし
「まあ、傷つけることは全然考えてないよ。その代わり、体で稼いでもらいたいなー…………あかねさんも手伝う?」
あかね
「え……」
りく
「ちゃんと働くから! あかねを巻き込まないでくれ!」
たかし
「上羽くん。おちんちんぶるんぶるんさせて、みっともないよ」
たかし
「あかねさん。手伝ってくれるよね?」
りく
「やめろよお、やめろお……!」
たかし
「上羽くんは、さっきから何考えてんの? 別に、あかねさんに売春やれって言ってんじゃないの。やかましい」
たかし
「あかねさんは、お客さん第一号だよ」
りく
「……え?」
吉原たかしは、ゆっくりと私に近寄ってくる。
私は、その鋭い目に射抜かれて、一歩も動けない。
たかし
「あかねさん。上羽くんのこと、好きにしてよ。その代わり、必ず一円以上お金払って」
たかし
「上限とかないから。払いたい金額をご自由に、どうぞ」
りく
「はぁ……?」
たかし
「ここで上羽くんの体を売って稼ぐのが一番いいと思うんだよ」
売春は、私がするんじゃない。りくがするのだ。
そして、その最初の相手にならないかと、吉原たかしは、言っている。
たかし
「してくれる? してくれなければ、違うお客さんをあたるだけだけど……」
あかね
「いくら?」
たかし
「うん? 一円以上であれば、いくらでも」
あかね
「りくが、治療費とか全額払うまで、あといくらなの?」
たかし
「……235000円」
あかね
「じゃあ、私、それ全部払うから」
りく
「あかね……!?」
たかし
「……結構な額だと思うんだけどな」
あかね
「今は無理だけど、銀行で下ろすから……。23万、5000でしょ……? 追加料金とかないのよね?」
たかし
「そりゃあ……。まあ、言っちゃなんだけど、俺たちは、仲介しているだけだし~」
あかね
「じゃあ、明日、払うから……。払ったら、もうりくに関わらないで……」
たかし
「……同級生だし、一切関わらないってのは、無理かもしんないけど。でも、授業のような最低限を越えての接触は、しないであげるね」
あかね
「うん……じゃ、りくの服着させてあげて……」
たかし
「いや、だめだよ」
あかね
「どっ、どうしてっ……」
たかし
「だって、あかねさん、上羽くんを全然好きにしていない」
目の前が絶望で染まる。
多分。多分。絶望だ。
期待なんかじゃないはずだ。
たかし
「上羽くん、最近へとへとだよねえ」
たかし
「『いくら自分が悪いからって、なんでこんな仕打ちを受けなきゃならないんだ。吉原たかし死ね』」
たかし
「……とか、思ってんじゃない?」
たかし
「そうだねえ、俺だって、上羽くんの立場ならそう思うよ」
たかし
「そして……、思考回路すら疲れ果ててんだ。抜くのもだるいよね」
たかし
「なら、今、その重そうな金玉には、精子いっぱい溜まってるっしょ」
りく
「な、なに言っ……」
たかし
「ねえ、あかねさん」
たかし
「労いも兼ねて、しゃぶってあげてよ」
たかし
「せっかく上羽くん脱がせたんだし、よく頑張ったねって、おちんちん慰めてあげてよ」
りくの瞳が、絶望に染まる。
光のなくなるその目を見て、ぞくぞくと背中を這い上がってくるものがある。
たかし
「ほら……、やって」
吉原たかしが、本当に楽しそうな笑顔を見せた。
“お前がこいつを好きなことくらい知ってるよ”
吉原たかしの表情が語る。
胸が熱くなるほど悔しい。悔しい。悔しい……?
たかし
「…………」
“お前の度胸に免じて、背中押してあげる”
あかね
「っ!?」
りく
「ああっ、やめろお!!」
吉原たかしが、とりまきに合図を送る。
私は、無理矢理跪かされて、りくの股間と目線を合わせた。
りくの……、おちんちんが、目の前にある。
たかし
「あかねさんのこと嫌いなの?」
りく
「そんなことあるわけないだろ……!」
たかし
「あかねさんのことが気持ち悪くて、自分のちんぽなんかさわってほしくない?」
りく
「そういうわけじゃない……!」
たかし
「だってさー、あかねさん。上羽くんは、あかねさんにしてほしいんだって」
りく
「そんなこと言ってな……! あ!」
しびれを切らしたように、私を押さえていた男が、私の顔をりくの股間に押しつける。
自分の熱と他人の熱とが触れ合う。
他人の匂いを、強く感じる。
りく
「ひっ……!」
息すんな、と、おそらく、りくはそう訴える。
でも、息できないわけがない。
吸って、吐いて、吸って……。
感じる、りくのその場所の匂い。
りくが腰を引く。
しかし、私の頭は押さえつけられたままなので、少し引いたくらいでは、意味がない。変わらず、密着している。
たかし
「ぱくって……、しちゃお」
りく
「お願いだから、もうやめてくれ……」
たかし
「ほらー、あかねさん。焦らすのもいい加減にしてあげなって」
りく
「あああ、押しつけるなぁ……」
りく、りく、ごめんね。
しないと、この場、おさまりそうにないよ。
りく
「ああ、あっ、ふ~っ……」
たかし
「あっは、咥えた咥えた!」
りく
「あ、あかね……、離れ……」
たかし
「あかねさん、フェラしたことある? 歯は立てないようにしたげなよ。……おい」
吉原たかしは、はしゃいだ声を上げたが、やがて低い声で命令する。
私や、りくにではない。とりまきにだ。
顔もよく知らない男に、頭を両手で押さえつけられる。ごつい手。
力は入っておらず、どちらかと言えば添えるようなものだったが、その手の動きに従い、頭が動く。
りくの根元にキスをして、遠ざかって、また近づいてキスをして……。
りく
「ああああぁ……。やめろぉ、やめろお、あかね……!」
たかし
「やめろ、じゃないでしょ。もっとして、でしょ」
りくのそれが、硬くなり、上を向き始める。
これって……。
りく
「もうやめてくれよお! お願いだからっ! これ以上はほんとにっ……!」
たかし
「おい」
りく
「ぁ、ああっ……」
りくの懇願に、吉原たかしが合図をする。
私の口が引かれ……、抜ける。
りく
「う、うぅ……。み、見るなぁ……」
りくの……、私のよだれだらけのおちんちんが、むくむくと大きくなり、完全に上を向く。
たかし
「やったね、上羽くん。勃起の瞬間、俺もあかねさんも、みんな見てくれたよ」
りく
「う……、ううぅ……」
たかし
「勃起する過程、みんなに見られちゃったね~。恥ずかしいね」
たかし
「でも、大丈夫大丈夫。射精する方が恥ずかしいもんね。まだましまだまし」
りく
「しゃ……って、ほんとにす……」
たかし
「この歳でできないわけじゃないでしょ。あかねさんに、ぴゅっぴゅさせてもらいなよ」
たかし
「上羽くんが本当に赤っ恥かいたら、解放してあげる」
たかし
「上羽くん、一秒でも早く服着たいでしょ。あかねさんにお願いしよ」
たかし
「『射精させてください』ってさ」
りく
「……死んでも、あかねに頼むもんか……」
たかし
「ふーん。じゃ、ずっとはだかでいなよ。その辺のホモにでも犯されれば」
私は……、りくの、勃起したおちんちんに手を伸ばした。
りく
「……あかね?」
たかし
「おっと、あかねさんから? じゃ、あかねさんがおねだりしてよ」
たかし
「『おちんぽがほしい』って、この場にいる男が全員勃起するくらい、えろく具体的に言って」
りく
「ん、んなこと……!」
あかね
「りくの……、おち……んち……が、ほしい……」
りく
「あ、あかね……」
たかし
「もっと具体的に言わないと。その程度で勃起できるおめでたいやつは、童貞にもほどがあるよ」
たかし
「上羽くんの、どんなおちんちんがほしいの?」
りく
「あかね、言わなくていいから……!」
あかね
「り、りくの……、おっき……、おち……が……」
たかし
「えー? 聞こえなーい」
りく
「きっ、聞こえたよ! あかね、ちゃんと言った……!」
たかし
「『りくのおっきしたおちんちんがほしい!』」
たかし
「『私は、りくのおちんぽが大好きで、しゃぶりたくてたまりません!』」
たかし
「『りくのザーメン一滴残らず飲み干すので、どうかフェラチオさせてください!』」
たかし
「……全然聞こえなかったよぉ。俺には聞こえたけど、みんなには全然聞こえなかったよ?」
りく
「そ、そんなこと……!」
たかし
「お前ら、ちんぽ反応した?」
やけに親しい口調で、吉原たかしは、外野かとりまきか、どちらかはわからないが、近くの男に話しかける。
「いや……、まず、ぼそぼそ声だったから、何言ってるかすらよく聞き取れなかったし」
「ていうか、“おっき”なの? 俺は、“おっきい”に聞こえたけど」
たかし
「あれー? おっきじゃなかった?」
たかし
「あかねさん、どっち言った?」
たかし
「……ま、おっきもおっきいも、そんな変わんないし」
たかし
「“おっきしたおっきいおちんちん”ってことで」
たかし
「じゃ、もっかい、ちゃんと言ってみよっか」
たかし
「『りくのおっきしたおっきいおちんちんがほしい』」
たかし
「『私は、りくのおちんぽが大好きで、しゃぶりたくてたまりません』」
たかし
「『りくのザーメン一滴残らず飲み干すので、どうかフェラチオさせてください』」
今さらだが、そんな下品なこと言っていない。
しかし、反論したところで、何になるというのだろう。
言うしかない……。
あかね
「りくの……、おっきい、おっきしたおち……ん、ちんが、ほしい……!」
たかし
「もっと大きな声で」
「あと、“おっきしたおっきいおちんちん”なー」
「どっちでもんな変わんねーよ」
「でも、その程度も覚えらんねぇーのかよ」
あかね
「……っ」
あかね
「りくの、おっきしたおっきいっ、おち、おちんちんがっ、ほしっい……!」
あかね
「わた、私っは……! り、りくがっ大好きで……、おちんち、しゃぶりたいっ!」
「色々間違ってね?」
「こういう時、頭の悪さって出るんやね~」
あかね
「りくのっ、飲む、飲むからっ!」
たかし
「聞こえな」
りく
「わかったよ! 俺が頼めばいいんだろっ!」
りく
「あかね、射精させてくださいっ!! お願いしますっ!!」
たかし
「……声量はいいけど、えろさがねぇ」
りく
「あかねっ! 俺のちんこをしごいて、ザーメン出させてくださいっ!!」
たかし
「……ま、合格にしといてあげる」
たかし
「そろそろちんぽの方限界っぽいもんねー」
たかし
「じゃ、あかねさん。上羽くんのお望み通り、射精させてあげて」
たかし
「……しゃぶりなよ」
りく
「てっ、手で……、手でいいから……」
たかし
「音立ててしゃぶりなよ」
有無を言わさぬ吉原たかしの発言に、りくは、口を噤むしかなかった。
りくのおちんちんに、改めてさわる。
どく、どく……。
血流を感じる。
もう、私の体に触れる者はいない。
私の意志で、りくのおちんちんをしゃぶるのだ。
りくの顔を見上げる。
りく
「無理……するなよ……」
あかね
「…………うん……」
無理したいくせに、私は、りくの言葉に肯定した。
おそるおそる口を開いて、私は……、りくのおちんちんの先っぽを咥えた。
りく
「……っ」
「うわっ、まじで咥えた!」
「生フェラとか初だわ……。他人のな」
「あー、これでちゅぱ音すごかったら、おっきしちゃうかもぉ」
「おっきしたら輪姦(まわ)してーな」
盛り上がる外野。
だけど、外野は、最初から盛り上がっているも同然だ。
私の耳に入ってくるセリフが、限られているだけ。
あの、無駄に爽やかで存在感のある彼の声は、聞こえない。
様子を窺いたいが、りく以外に目を向けられない。
怖かった……のかもしれない。
吉原たかしが、今どんな顔で見ているのか。
つまらなさそうな顔で見ているのか。
だったら、どうしようという恐怖がある。
……ばかばかしいよ。
今の私は、りくのおちんちんをしゃぶって、いかせる任務を担っている。
吉原たかしだって、外野の一人に過ぎない。
今この場所、この時間の中心にいるのは、私とりくの二人。
二人きりとは言えないが、二人の時間だ。
なら、有効に使うべきだ。
先っぽ……、くびれている部分まで、私の口で覆う。
あ……。
自分で表現しておいてなんだが、“覆う”という言葉に、はっと気づいた。
りくは、今、はだかんぼだ。
そして、両手両足拘束されているせいで、どこも隠せない。
私は、今、りくのおちんちんの目の前にいる。
だったら、少なくとも、私の後ろにいる人からは、りくの一番恥ずかしいところを隠せている。
りくが解放されて、服を着るまで、他の人の目に触れさせない。
これは、私の使命だ。
なら……。
りく
「あっ……」
手でも、隠してあげよう。
りくを男の子だと証明するこの部分は、人目に晒すべきでないのだから。
私は、りくのそれを両手で包んだ。
別に、おかしなことじゃない。しゃぶるために、手を使うのは、変じゃない。
この視線らから、守ってあげたい。
たかし
「……ふん」
吉原たかしが、鼻で笑った気がした。
私の意図に気づいたのだろうか?
しかし、彼は、何もしてこないようだ。
奥まで咥え込む。
りく
「く、くぅ……」
あかね
「んぐっ……!」
勢いよく咥えすぎた。
喉奥まで突っ込んでしまい、吐き気が込み上げてくる。
苦しくならない程度の位置に調整する。
鼻水が垂れてきそうだ。
別に垂れたところで、りくは許してくれるだろうが、めざとい吉原たかしは、何か言ってくるだろう。
それは、嫌だった。
――いや、何より、りくに汚い顔を見せるわけにはいかない。恥ずかしい。
鼻をすすった。
あかね
「んんくっ……」
ダイレクトに鼻腔を刺激する、りくのその場所のにおい。
余計吐きそうになってくる。
大好きなりくのものだと自分に言い聞かせ、感じてしまった嫌悪感を追い払う。
じゅる、込み上げてきた唾液にふと気づき、舌でそれをりくのにこすりつけてみる。
りく
「ん、くぅ、くう……っ」
りく、気持ちいいのかな……。
少し腰が動いている。
視界の端に、かすかに揺れているものが見えた。
りくの玉。
私やりくが動くたびに、揺れるそれ。
300万……とか言ってたっけ。
それが、二つ。
そんな大事なところ、売らせないから。
私は、片手で、りくの玉をそっと握った。
力は、まるで入れていない。
ただ、隠してあげたくて。
りく
「ぁ……っ、ふ……!」
たかし
「……へぇ」
あかね
「んちゅ……、じゅ、じゅむむ……」
りくのおちんちんをしゃぶった。
なるべく、私以外の誰かから、りくのおちんちんが見えないように、気を使いながら。
唾液がどんどん分泌される。
意図をせずとも、りくのおちんちんで、いやらしい音が出ていた。
じゅっ、じゅるっ、じゅるる……!
りく
「あぁぁ……ぁはぁぁ……」
たかし
「……上羽くん、気持ちよさそうね」
吉原たかしが口を開く。
無意識に警戒するが、私は、りくのおちんちんで音を立て続けた。
たかし
「喘いでることに気づいてる?」
りく
「……えっ」
りく
「はぁぁっ……」
たかし
「ほら、喘いでる」
りく
「う、うるさっ……あ」
りくの声に、覇気はない。
しぼんだ声と、吉原たかしの言う通りの喘ぎ。
りく
「むぅぅ……、くうぅ……!」
吉原たかしに指摘されたせいだろうか。
りくは、固く口を結び、声を我慢している。
たかし
「ま、上羽くんが否定しても、事実は変わんないわけで」
たかし
「ちんぽは正直だねー。『気持ちいい、もっとして』って言ってるよ」
……ほんと?
りく、気持ちよくなってくれてるの?
嬉しい。嬉しい嬉しい嬉しい。
私も、りくのおちんちん好き。
ちょっと変なにおいだし、しょっぱい気がするけど、りくのおちんちん好き。
じゅるる……、じゅっちゅ! じゅぱっ、じゅむむ!
りく
「ふ……う……っ」
たかし
「射精しないの? そんなにすっぱだかでいたい?」
りくがこの状況から解放されるためには、射精すればいい。
そうすれば、服も着られるし、吉原たかしたちも去っていく。
でも、射精するということは……、私の口の中に、自分の精液を流し込むということ。
りくは……、多分、こういうことされるのは、初めてじゃないだろう。
りくの隣……一番近い隣には、さゆりちゃんがいた。
すぐ別れたわけじゃない。
さゆりちゃんに、こうやって、おちんちんをしゃぶられたことくらい、一回はあるんじゃないか……。
とはいえ、普通、それは、他人の目につかないところでやることだ。
こんな……、大勢の好奇の視線に囲まれて……。
初めてだろう。その初めて、奪っちゃった。
りくのはじめて。
射精することは、恥ずかしいと思う。
いや、恥ずかしいっておかしい。オスという生き物なら、普通のことだ。
なら、何で恥ずかしく、人目を忍ぶべきことなのだろう。
子孫を残すためにする行為なのに、いたずらに快楽求めてやっているから?
ああ……。多分、それだ。
人間だけだ。
妊娠を望まない交尾をするのは。
他と違うことを恥じらう人間。
人間は、他の生物と違うから……。
りく
「んっん~……、ふぅぅぅ……!」
たかし
「我慢したいよね~。快楽は、長く続いた方がいいよね……」
りく
「ふうぅ……っ……! ぅぅうん……!」
たかし
「射精したら終わり。今まで昂っていた気持ちは、どっかに飛んでく」
たかし
「きもちい時間は、いっぱい続いてほしいよねぇ」
違う違う、と、かぶりを振るりく。
射精したい。
射精すれば、この場は丸くおさまるから。解放されるから。
射精したくない。
恋人じゃないけど大事な人の口に、精を注ぎたくなどないから。
二つの相反する気持ちがぶつかり合い、りくは、震えるばかりだ。
たかし
「……それともさ」
たかし
「へたくそ?」
りく
「えっ……?」
たかし
「あかねさんのフェラが下手だからいけない? 射精できない?」
りく
「そ、そ……」
そうだ → あかねさんってば下手なんだ、処女?
そうじゃない → あかねさんってテクニシャンなんだ、ビッチ?
だめだ、どっち答えても墓穴だ。
りく
「あっ……あっ!」
射精するしかないよ……!
りく、いって。
精液、ここで出して。
そうすれば、解放される。一時の恥だから。
ひとごとだと思って、ごめん。
でも、私、りくの味方だから。
どんなりくでも、私は好きだよ。
さゆりちゃんが幻滅したって、私は、ずっとりくが好き。
さゆりちゃんよりずっと前から。さゆりちゃんよりずっと長く。
大好き大好き大好き。
じゅるっちゅ、じゅぱっ!
ずぞそ……っ、じゅぱぱっ、じゅるる……!
じゅぽっ、ぢゅぽっ!
りく
「うっ、うぅっ……! あかね、あかね、ごめん……!」
りく
「うっ、うあ、あああっ……!」
あかね
「んんぶっ……!」
のどの奥に飛び込んでくる、熱い何か。
驚愕して、フェラチオが止まる。
りくの、精液だ。
大好きなりくの、雄汁。赤ちゃんのもと。
これも、人目に晒すべきじゃない。
じゃあ……、飲もう。
私のお腹に入れて、隠してしまおう。
あかね
「んぐ……くっ、……ぐ」
鼻に来る、今までの比じゃない“におい”。
鼻から溢れてきているんじゃないかと思う。
舌に乗る塊。
不味すぎて笑えてくる。舌ざわりも気持ち悪くて最悪だ。
でも、大丈夫。
これは、りくの大切なお汁だから。
私も、好きになれるから……。
一升瓶に入った醤油を飲まされているような、苦しい時間。
吐き出さないように、それだけを気にかけながら、少しずつ飲み込んでいく。
鼻からこぼれてないよね?
もし、そうなっていたら、すごく嫌だ。
そんな顔、りくに見せたくない。みっともない。恥ずかしい。
あかね
「んんぐ……」
最後に、ごくっと、音を立てて、飲み干した……はず。
ずちゅ……と、りくのをしゃぶり、唾液を分泌させて、飲み込む。
それでも、口の中に広がる、独特の苦味は消えない。
とりあえずは、飲み込めた……と思う。
よし、よし……。完全に飲めたぞ……。
見計らったかのように、予鈴が鳴る。
たかし
「……いっちゃったね」
たかし
「大勢の前で、全裸になって、フェラされて、いっちゃった」
たかし
「こんな経験、初めてでしょ」
たかし
「意外と気持ちよかったんじゃない?」
りく
「…………………………………………」
りくは、はぁはぁと息を切らすだけで、答えない。
代わりに、私が彼をにらんだ。
じゃあ、お前もりくの立場になってみればいいじゃないか。
たかし
「……ごめん」
りく
「……ぇ」
吉原たかしの言葉に、りくが反応する。
いや、違うよ、りく。
吉原たかしは、謝ったんじゃないよ。
私の考えていたことを見透かして、
それに対して“自分がされるのはごめんだ”ってことなんだよ……!
たかし
「じゃ、あとはよろしく……」
「おい、てめぇら! いつまでただで見てんだよ! かっぱらっぞ!」
吉原たかしが去っていく。
それを合図に、ギャラリーが散り出す。
「あかねちゃんも、いつまでりくくんのちんぽ咥えてんの~。淫乱娘~」
りく
「っ、あかねになんてこと言うんだよ! 謝れ!」
「あぁ? なんだよ。大勢の前で幼なじみの口に射精した男が偉ぶってんじゃねぇよ!」
「所詮、お前は、廊下で全裸射精した変態男なんだよ。変態男に指図を受ける気はないね」
りくを取り押さえていた男たちが離れ始める。
りく
「あかね……、もういいから……」
りく
「うっ!」
「自分の服くらいちゃんとキャッチしろよ! わざわざ拾って投げてやったんだからよぉ!」
「どんくせー」
「賢者タイム入ってんだから、そんなにすぐ反応できねーだろ」
「ぎゃはは! 次の授業遅れちゃだめよ~、上羽くぅん」
吉原たかしの仲間も、去っていく。
私は、ようやくりくのおちんちんを口から出した。
両手で、りくのおちんちんを隠す。
りく
「……もーいいよ……、あかね……」
あかね
「でも……」
私は、りくに触れていたかった。
しかし、りくは、腰を引いて、ゆかに落ちた衣服を拾う。
りく
「服着るから……。あかねも、クラス戻れよ」
あかね
「うん……、りくが服着たらね……」
りく
「はは……」
りく
「……恥ずかしいだろ……」
りくは、笑った。力なく笑った。
そして、それとほぼ同時に、雫が落ちた。
りくの目から、こぼれ落ちた。
りく
「…………」
あかね
「りく……」
腕で拭う。何度も、拭う。
拭っても拭っても溢れてくるから、とうとうそれを諦めて、りくは、服を着始めた。
私は、何も言えない。
ただ、りくが服を着終わったら……、本鈴が鳴るまで、りくを抱きしめよう。
例え、その時間が一秒もなくとも……。
あかね
「りく……」
ネクタイを締めたりくは、私の胸に飛び込んできた。
りくは、声を押し殺して、泣いていた。
――正直、下腹部が、熱くなった。