初恋スコーチング【テキスト先行公開版】39-21b

最終更新日:2023年10月7日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


二人してホテルを出る。

恋人同士だったら、腕を組むなり手を繋ぐなり、“接触”するだろう。

しかし、生憎恋人同士どころか、友達のように親しい関係でもない私たち。
よそよそしく、でもそれが当たり前。

クソメガネ
「………………」

だるそうなため息だ。
そういえば、どことなく足どりもふらついている。

あかね
「大丈夫?」

クソメガネ
「お前のせいだろ……」

うーん。まあ、そうなんだけど……。

あかね
「あ、危ない!」

なんてことないわずかな段差に足を取られ、クソメガネは、転びそうになった。
私は、咄嗟に腕をつかむ。

クソメガネ
「……大丈夫だよ」

あかね
「大丈夫じゃないじゃない」

クソメガネ
「ちょっとつまずいただけだ、不注意」

駅に着くまでも、どこかふらふら。
そばにいる私の方が、心配してしまう。

クソメガネ
「お前は、あっち側だろ……? 俺は、こっちだから……」

あかね
「送ってく」

クソメガネ
「……は?」

あかね
「いや……、一人だと、倒れないか心配だし」

クソメガネ
「お前な……。お前のせいなんだぞ」

あかね
「うん。だから、送ってく」

ちょうど電車が来たので、一緒に乗る。
一緒に乗れば、もはや文句もないだろう。

朝の電車だからか、それなりに人は乗っている。
席は空いていない。
仕方なく立っておく。

電車の揺れで、倒れたりしないといいけど……。