初恋スコーチング【テキスト先行公開版】31-21b

最終更新日:2023年10月7日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


クソメガネ
「おい、駅、こっちだったか?」

あかね
「ううん、違うよ」

クソメガネ
「……またなんかああいう店にでも行くのか?」

そんなにああいう店多くないって。

でも、半分正解……かな。

授業が終わって、一度帰宅。
それから、さっきのアダルトショップに行って……。

辺りは、すっかり薄暗くなった。
時刻は、六時になろうとしていた。

あかね
「18時からなんだよね」

クソメガネ
「……何が?」

あかね
「ほら、宿泊」

私は、足を止めて、看板を指さす。

クソメガネ
「………………ここ」

あかね
「じゃ、行こうか」

クソメガネ
「おいっ、待てよ!」

あかね
「なに? 早く入らないと、かえって目立つよ?」

クソメガネ
「…………くそ……」

ごちゃごちゃ言われたものの、なんとか部屋までクソメガネを連れてくることができた。

ラブホテルなんか、当たり前だけど初めてで、ちょっと怖かったが……、とりあえず、部屋に入れたから、よしとしよう。

部屋は、オートロック。
さらに、料金を支払わないと、ロックが解除されないらしい。

私も不安だが、クソメガネが逃げられないのは、いいことだった。

クソメガネ
「早速……、買ってきたやつ使えって、ことか?」

あかね
「まあ、そうだね」

あかね
「で、どういうの買ってきたの?」

クソメガネは、袋を差し出す。
中身が透けないよう、配慮されたグレーの袋。

私は、中身を取り出した。
机があったので、その上に置く。

箱からも出してみた。

あかね
「………………」

ローションと……、ディルド?

ローションは、わかる。

しかし、これは?

なんか……、こういう、もちやだんごありそうだよね、って形……。

細長くて……、それでいて、波打つように歪んでいて……、指を引っかけるため? のリングが……。

それに、ディルドにしては小さいような?
10cm……くらい?

うーん。意外とやわらかい。

あかね
「これは……、どの向きで挿れるの?」

クソメガネ
「普通にわかるだろ。指引っかける穴ついてんだから」

やっぱり、このリングは、指を引っかけるためのものなの?

まあ、そうだよね。
もし、奥に突っ込んじゃっても、ここに指を入れていれば、引き出せるし。

取れなくなったら大変だもんね……。
親切だな。

しかし、ディルドなのか、これ?

ディルドって……、もっと、こう……。

あかね
「………………」

あの時のりくのを思い出してしまうが……、ああいう感じじゃないの……?

クソメガネ
「……消して、くんないのかよ?」

あかね
「ん、あ、ああ……」

まあ、本人が使う用なんだから、実際に挿入して使用するなら、私に文句を言う権利はない。

あかね
「じゃ、一枚消してあげる」

クソメガネ
「……一枚だけ?」

あかね
「いや、ちょっと、使ってるところの想像がつきにくくて」

クソメガネ
「なら……、使えば、もっと消してくれるのか?」

あかね
「うん、いいよ」

どうせ携帯電話からは消えるだけで、すでにパソコンには写してあるしね……。

クソメガネ
「…………………………」

あかね
「…………………………」

自分からやるようなことを言ったものの、クソメガネは、動かないでいる。

あかね
「……あ、はい」

机に置いたままなのが原因かと、私は、ディルドとローションを差し出した。

一応、無言で受け取られるが、『そうじゃない』とでも言いたげな顔をしていた。

クソメガネ
「……脱げと?」

少なくとも下は脱がないと、使えないと思う。

でも、今クソメガネが着ているのは、Tシャツ。
丈も、長いわけではないが、ベルト部分は容易に隠れてしまうので、脱いだ方が汚れないだろう。

あかね
「普通脱ぐんじゃない?」

クソメガネ
「…………ここで?」

あかね
「外に出たらだめだよ」

また、『そういう意味じゃない』とでも言いたげだ。

固まっているクソメガネを尻目に、私は、室内を見渡した。

テレビがある。
簡易的な冷蔵庫がある。
大きい……というか、ダブルのベッドがある。

普通のホテルと、そう変わらない。
だけど、肌が感じる。アダルトショップの時と同じような、異端さを。

そして……、シャワールーム。

ガラス張りのそこは、目を凝らす必要もまるでなく……、そちらさえ向けば、中の様子が丸見えだった。

………………あ、そうか。

あかね
「入る?」

私は、シャワールームを指さして、尋ねた。

クソメガネ
「………………あ?」

あかね
「お風呂というか……」

クソメガネ
「……入った方が……、いいのかよ……」

あかね
「んー、まあ……」

今回、見られるだけじゃなくて、行為にも及ぶのだ。
及ぶのは、私じゃなくて、この人自身が一人でだけど。

それはさておき、どうせ宿泊として、ここにいる。
なら、入った方がいい気がした。

……あれ?
その理屈なら、私も入った方が……。

クソメガネ
「……わかったよ」

意外と、素直に頷かれた。

クソメガネ
「……湯、張るのか?」

あかね
「え、うーん……」

張った場合、私も入らないと、いくらなんでもお湯がもったいない気がする。

しかし、それは、クソメガネ他人の入った湯船に浸かるということになる。

別に、銭湯や温泉では、顔も知らない赤の他人が浸かっている。
潔癖症ではないので、それに抵抗はないけれど……。

ちょっと、やだな。

何がと、明確な理由は言えない。
でも、やだ。

そして、それはきっと、私だけじゃない。
多分、相手もおんなじことを考えていると思う。

あかね
「……湯船に浸かりたい?」

クソメガネ
「……まぁ……、別に……。いいんだけどさ……。こういう場合、シャワーだけでも……」

あかね
「じゃあ……、そうしましょうか……」

クソメガネ
「…………あぁ」

あかね
「………………」

クソメガネ
「………………」

クソメガネ
「………………で」

クソメガネ
「……今から……?」

あかね
「…………そう、だね」

クソメガネ
「…………くそ……。わかったよ……」

クソメガネは、ため息をついて、ガラス張りのシャワールームへと向かっていった。

さて。

覗くのは趣味じゃない。
といっても、一面ガラス張りのシャワールームに、覗きも何もないだろうけれど。

シャワーくらい、人目を気にせず浴びたいだろう。

それに、どうせこの後、シャワーを浴びているところより恥ずかしいところを見られるのだから。
わざわざ見る義務もない。

一応、そちらを見てみる。

あ、目が合った。逸らされた。

相変わらず、不機嫌そうな顔だ。
まあ、ご機嫌な様子だったら怖いんだけど。

とりあえず、あとは、彼がシャワーを浴びるまで待とう……。

では、その間に、部屋の勝手や、先ほどのおもちゃの説明でも確認しておくか……。