最終更新日:2023年6月29日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
りくが無事に家の中に入るのを確認してから、私は、自宅に帰った。
制服から着替えて、携帯電話を意味もなくさわる。
アドレス帳の“上羽りく”を、じっと見つめる。
好きだよ。
そう、電話してしまおうか。メールしてしまおうか。
『大好き、あかね』
あかね
「…………っ……」
でも……、嫌われたら、どうしよう。
吉原たかしのせいでも何でもなく、避けられたら、どうしよう。
いや、今朝も私、吉原たかしに言ったじゃないか。
『あんなことやっておいて……、どういう神経してたらっ、告白できるって言うのよ!』
そうだよ……。
りくのおちんちんを、公衆の面前で嫌がらずしゃぶって、どういう神経していたら、“好き”なんて伝えられるのよ。
だいたい、昨日あんなことがあって、告白したとして。
真面目な想いが届く?
まるで、りくのおちんちんがほしいから……、媚びを売っているように思えないだろうか?
あかね
「だめだ……」
私の初恋が、安っぽいエロ漫画の展開で終わるのなんか……、やだ。
まだしばらく、りくに近づけない。
せっかく、さゆりちゃんという障害がなくなりそうなのに、吉原たかしのせいで、また別の障害が発生してしまう。
吉原たかしの……せいで……。
ぼすっと、ベッドを殴る。
すると、置いてあったトートバッグが落ちた。重い音がして、はっと気づく。
そうだ。復讐するんだ、私。
私の邪魔をして、りくを辱しめた吉原たかし――もとい、あのクソメガネに、復讐をするんだ。
でも、借りてきた本が入ったトートバッグが落ちるまで、すっかり忘れていた。
ま、あの程度の顔じゃ覚えられないし、仕方ないか。