最終更新日:2023年3月26日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
何も考えずに、じっとしていたい。
でも周囲はそれを許してくれなくて、お風呂に入って、ご飯を食べて、ベッドに入ってそのうち寝て、朝だよと起こされて登校の準備をして。
「りく」
名前を呼ばれて顔を上げる。そこには、幼なじみであるあかねがいた。
「大丈夫……?」
あかねは、俺を心配している。
だからこそ俺は、また流される。
「うん、大丈夫だよ」
◆
両親はもちろんだが、あかねや友達にも心配かけたくない。むしろ、下手に話せば巻き込んでしまうかもしれない。
大丈夫。お金さえ払いきれば、それで済むんだ。
「上羽くぅん」
放課後、彼がやってきた。右手を差し出しながら。
俺は、財布から千円札を五枚取り出して、渡す。
「………………はい、ちょうど」
昨日は一万円札を一枚渡した。昨日はまだ状況の把握ができていなかったから、流れるように渡してしまったけれど。
俺は、五枚ものお金を、何のために渡しているんだろうか。
「昨日は大丈夫だった? けつ掘られたりしなかった?」
「今日……も……?」
「人気者だねえ、上羽くん。いいね~、仕事はたくさんあるよ。仕事があるって幸せなことだよねえ」