初恋スコーチング【テキスト先行公開版】いい仕事2-2

最終更新日:2023年3月17日

◆この記事は18禁です!

このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。

詳細 / 目次

フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。


「上羽くぅん」
 授業が終わり、クラスメートの一人が話しかけてくる。彼は、昨日俺に“いい仕事”を紹介した人物だ。
「昨日はお疲れちゃん。なかなか好評だったよー」
「あ、あの……」
「あれで一万とか楽に稼げていいでしょ~、じゃ、はい」
 右手を出される。
「とりあえず、昨日の分と今日の分もらおうか。昨日の五千円と、今日の五千円、合計一万円」
「え…………あ…………」
「ん~? まさか昨日もらった分もう使っちゃった?」
「い、いや…………」
 俺は財布を出す。そこには確かに一万円札があった。流されるようにそれを彼に渡す。彼はぴゅぅと口笛を吹くと、受け取って指先でお札をこすり、確かめた。
「はいちょうど。では、今日の分のお仕事現場に行きましょうか」
 彼が俺の背に手を当て、誘導していく。校門も出て、目指すは……、昨日と同じ……?
「あ、あのっ……、ああいうのは……」
「ん~? モデルがそんなに嫌? ただじっとしてればいいだけでしょ?」
 覗き込まれる。薄ら笑いを浮かべている相手の顔は、正直気持ち悪い。だが同時に、はっと気づいた。彼は、モデルの内容については知らないのではないか。仮にヌードモデルであることは知っていたとしても、そこで“ヌードモデル以上のこと”があったのは知らないのではないか。
 もしそれなら、話せば弱みを握られてしまう。俺は、言おうとしていた言葉でない、別の言葉を絞り出す。
「じっとしてるのも……、ちょっと……」
「ははっ、そうだよなあ。長時間同じポーズはきつそ」
 そして見えてきた、昨日と同じ女子校。俺は息を呑んだ。
「ま、また…………、今日も……?」
「そうだけど、美術部じゃないよー」
 “美術部じゃない”。それはほっとするべきことなのかそうでないのか……、俺にはわからなかった。
 彼に案内されたのは、美術部の……向かいにある部屋だった。
 “漫画研究部”。
「おまたー」
「来たかちんぽ!」
 ドアを開けた彼に対する返事。…………俺、ひどい聞き間違いしたかな。
「一万円で何でも言うこと聞いてくれるんでしょ?」
「おうヨツンヴァインになるんだよあくしろよ」
「ヨツンヴァインにはならなくてもいいけど、しこって、どうぞ」
 俺の隣にいる彼が吹き出す。
「あんたら恥じらいとかないのかよ」
「恥じらっててエロ漫画が描けるかってーの。さ、時間もったいないからオナニーオナシャス」
「かかか。面白そ~。俺も見てこかな」
「マ? ありがとナス! プラス一万出すんでべろちゅーしながら兜合わせオナシャス!」
「帰るわ。頑張ってな」
 彼は即座に廊下に出てドアを閉めた。……女子だけの空間に取り残される、“男”という異物。
 ……………………えっと。
「じゃ、とりあえずオナニーしてもらおっか」