最終更新日:2023年3月16日
◆この記事は18禁です!
このストーリーは、18禁ノベルゲームにしたい作品の“テキストだけ”先んじて公開するものです。
フリー版で公開していた範囲はそのままノベルゲームテキスト形式、そうでない追加部分は主に小説描写になっています。
あれは夢だったのか。
いつも通り目覚まし時計に起こされ開いた目。飛び込んでくる、見慣れた自室の天井。
何もかもが夢だったような感覚だった。
いつものように起きる。
「おはよう」
母さんが朝ご飯を作ってくれている。父さんが新聞を見ている。…………特に、何か変わっていることはない。
黙っている俺を怪訝に思ったのか、父さんが新聞から顔を上げて俺を見た。
「はは、相変わらずぼーっとしているなぁ。ほら、顔洗ってこい」
「…………うん」
父さんも母さんも、俺がこの家すぐ近くで起こした事故を知らない。俺も、それを目撃していた幼なじみであるあかねも、伝えていないからだ。
俺が悪い。…………俺が悪い。ぼーっとしていて、バイクが右側から走ってきていることに気づけなかったから。
もう子どもではないのだ。実家で暮らしているとはいえ、自分が引き起こしたことの責任は、自分で取らないと。
――それとも、本当に何も起こっていないのかな?
俺は、洗面所で顔を洗いながら、日常と非日常を疑った。
◆
学校に行く。みんなと普通に挨拶する。
やっぱり、何もなかったのかな……。
「なぁ…………、昨日大丈夫だったの?」
「え?」
「放課後、連れられてったんだろ?」
……………………ああ。
やっぱり、現実だったのか。